2025年6月6日(金)、ホテル アンテルーム 京都にて開催された「KYOTO PLAYROOM」に、tanPebbleはプレゼンテーションと仮想現実(VR)アート体験の提供を行いました。
前回に引き続き、数十名規模の参加者が集まり、大変活気のある雰囲気でした。

プレゼンテーションでのご紹介と体験展示の作品
今回ご紹介したのは、前回のMRジグソーパズル「ヘイローパズル(Halo Puzzles)」を発展させた作品「マインドマインズ(Mind Mines)」です。
アート作品を題材にしたジグソーパズルに、“地雷解除”や“魔法”の要素を加えたVR体験型ゲームとなっています。
使用するアート作品は、美術館が所蔵する作品から選んでいただける形式としました。

プレゼンテーションを通して感じたこと
プレゼンテーションの持ち時間は8分間で、プロモーション動画と実演を交えながら、「マインド・マインズ」の基本的なコンセプトをご紹介しました。
作品の設定がやや複雑なこともあり、特に後半の5分半を実演にあて、できるだけゲームの魅力を直感的に伝えられるよう工夫しました。その後、2分間の質疑応答の時間もいただきました。
今回は、自分自身にとっても、頭の中の言語化の難しさを改めて感じる機会となりました。伝えるべき内容の優先順位が整理しきれず、何を一番に話すべきかが曖昧なまま進めてしまいました。
一方で、他の2名のプレゼンターの方々(最近Steamでリリースされた企業の脱出ゲーム、擬音語を活用したアナログカードゲーム)は、来場者の視点や関心を意識しながら、落ち着いたテンポで丁寧に話を進めていたのが印象的でした。聞き手にとって理解しやすい構成で、プレゼン後には具体的なゲームシステムについての質問も多く交わされており、素晴らしい伝え方だなと思いました。
特に印象的だったのは、アナログカードゲームの方がプレゼン終了直後に3セットの在庫が即完売されたことです。
たった8分間のプレゼンで、その場にいた多くの方の「欲しい!」という気持ちを引き出していたことに、驚きと新鮮さを感じました。
体験展示を通して感じたこと
展示では、3名の方に実際に「マインド・マインズ」をプレイしていただきました。
ゲームに携わる方やカジュアル層としての視点など、今後に活かせる非常に実践的なフィードバックを得ることができました。
特に印象的だったのは、ゲーム初心者と経験者とで、操作難易度の感じ方に明確な差があるということです。
ピースを掴む操作や、地雷解除、魔法使用といった複数の要素を覚える必要があり、カジュアルにプレイしたい層への配慮の必要性を改めて感じました。
その点でも、「マインド・マインズ」と「ヘイローパズル」は対象層の棲み分けを目指した構成にしておいてよかったと思います。確かに、写真展では「ヘイローパズル」のほうが好評だった背景には、カジュアル層にとってのとっつきやすさがあったと考えています。
また、「魔法だけのシューティングゲームとしても面白い」というフィードバックもいただき、まさにそのとっつきやすさを反映していると感じました。


出典:The Art Institute of Chicago
収集:The Art Institute of Chicago, Chicago
最後に
今回の経験は、自作VR作品の伝え方、体験設計、そして来場者とのコミュニケーションの在り方を見直す、とても良い機会となりました。
そして何より、「世の中には本当に多くの優れた開発者や表現者がいる」ということを実感しました。
また、お話を通して、個人でゲームを開発している人は意外と少数派なのでは?と感じる場面もありました(がんばります…)。
プレゼンテーションや来られている方のお話を直接聞くと、デザイナーやサウンド担当などの役割を分担して制作されており、「一人で開発しています」とお伝えすると、驚かれることもありました。
今後も、「体験してみたい」と思っていただけるような作品を届けられるよう、日々研鑽を重ねてまいります。
ご興味をお持ちのアーティストの方や、展示をご検討中の主催者の皆さまは、どうぞお気軽にご連絡ください。
※本記事・SNSの写真(プレイ中の様子)は、ご本人様の許可を得て、もしくはCC0の画像を利用して掲載しています。